2010年04月26日
江戸燃ゆ
時は桜の散り始めたる春のころ、天下泰平の江戸の町、突如として天守閣から火の手の立ち昇りたる~
火の粉を舞い上げめらめらと、あれよあれよと人々が、空を指差し仰ぎ見るその彼方には、
目もくらむような天守閣の屋根の上、黒く艶やかな振袖に、大小二本差しの人影が
ややっ!、あれこそは、噂に聞く泪橋の女将 茜姐ではあるまいか。
燃え盛る身の丈ほどもある火付け棒を背負い、我が身を焦がしながらもきりりと江戸の町を見下ろして
カンラカカラカラ と凄まじい形相で恐ろしくも美しくも笑うさま、まこと天晴れなり。
駆けつけたる役人を、ひょいと軽く身をかわし、天守閣の屋根の上をひらりひらりと蝶のごとく舞い
勢いを増した火は、瞬く間に八百八町へと燃え広がったのでございます。
「てえへんだ、たえへんだ~」
はるばる蝦夷の地から、夫婦で江戸を目指して神田町に店を開いた竹輪屋宝伝と風華
ようやく焼き竹輪の商いも軌道に乗ったその矢先、あゝ無情なることかな
身代をかけて築き上げたその店にも、火の手は忍び寄るのでありました。
じうじうと、辺り一帯に漂う香ばしい焼き竹輪の香り。
さて一夜明け、あれほどまで繁栄し、大いに賑った江戸の町はあろうことか、大火にて忽然とマップから消え失せてしまったのでございました。
竹輪屋宝伝と風華の運命やいかに・・・
Posted by mizuki at 22:48│Comments(2)
│mizuki事件簿
この記事へのコメント
ちくわが食べたくなりましたw
Posted by augusta at 2010年04月29日 12:30
チョコがけ竹輪もありますよ^^
Posted by mizuki at 2010年04月30日 01:02