mizuki
2015年02月18日
22:07
ベネチアのカーニバルは、みなさまのご協力で無事終わりました!
来てくださってみなさま、ご出演いただいたみなさま、スタッフのみなさま、どうもありがとうございました^^
それでは、紅茶のお話の続きにまいりましょう
再びミルクティーのお話です^^
正統派に基づくミルクティーですと、ミルクは先にカップに入れておきます
いやいや、お茶を注いでからミルク、と言う論争がイギリスでは100年以上も続いていますが、どうやら先に入れる方がミルクの成分を損なわないとか
ミルクは風味を損なわないように温めません
カップを温めて、そこにミルクを入れ、そして少し濃い目に淹れた紅茶を注ぎます
お砂糖はお好みで
とても美味しいです^^
ただ、温かさがかなりギリギリで、日本人なら一口目からスルスルと飲めてしまいます
しばらくすると、ちょっとぬるくなってしまうのです
白人の方はたいてい猫舌なのでこの温度で熱々なのでしょう
ティーカップの下のお皿はもともとスプーンを置くためのものではなくて、熱いお茶をカップからお皿にこぼして冷ますためのものでした
正式なお作法としては、お茶に砂糖を入れ良く混ぜて、カップをお皿からどかし、カップの中身をお皿にこぼし、そのお皿を持ち上げて飲みます
スプーンは邪魔にならないようにカップに入れたまま
お茶をすするときは勢いよく音を立て、空気とお茶を混ぜて香りを立たせ、さらに温度を下げて飲みやすくします
すっかり飲んでしまったらまたカップからたらし、お皿を持ち上げて、を繰り返したのです
サービスの良いお店でしたら、お茶をなみなみカップから溢れるまで注ぎ、お皿にもたっぷりとたらします
ちょうど枡の中にコップを入れて、日本酒をコップ一杯にして溢れさせ、さらに枡の縁まで注ぐのに似ています
ちょっと見た目にはあれですが、それが当時の正式で粋なお茶の作法だったようです^^
もともとカップは東洋の茶器がもてはやされましたが、お茶が熱くて持ちにくいという理由で取っ手が付けられたといわれています
それだけではなく、こぼれたお茶でカップがベトベトするから、という理由もあるのではないかと思っています
また、カップのお茶をいっぺんに受け皿に移すこともできるように、カップの容量とお皿の容量は同じに作られていました
アンティークのティーセットのお皿が深いのはそういう訳だったのです
カップから直接飲むようになったのは、第2次世界大戦のころからでしょうか
悠長にお皿に移して飲む余裕がなくなったせいなのかもしれません
今でも、イギリスのご年配の方はカップから飲むというはしたないことはせず、きちんとお皿にこぼして飲むそうです
イギリスの旧植民地であったマレーシアやシンガポールなどでは、お皿に移して飲む正式な飲み方が現在もまだ残っています
ご旅行中、もしお皿に溢れた紅茶やコーヒーが置かれても、それはいい加減なのではなくて、正式でなおかつ大盛サービスのおもてなしの心なのです
ヨーロッパのミルクティーは、酪農の盛んなフランスが発祥と言われています。
ただ、身の回りにあるミルクを入れてみようというのは、フランスに限らずどこでもやってみたことでしょうね
お茶の味がまろやかでコクも深くなり、そしてなりより、熱さがあっという間に和らぐ、のがもてはやされたのでしょう
残念なことに、ヨーロッパで飲むミルクティーの味わいは日本で飲むものよりはるかに深いのです
それは前回書いたように水の硬度の違いもありますが、もう一つはミルクの違いです
ヨーロッパのミルクは甘く、コクがあり、しつこくはありません
日本で濃い味のミルクというと、乳脂肪ばかり高くてミルクそのものの味わいは平坦なように感じます
ミルクを多めにして風味を出そうとすればぬるくなります
お店で出てくるミルクティーは植物油で作られた何の風味もない合成ミルクが添えらる哀しさ
牛乳から作られた「クリープ」か、コンデンスミルクやエバミルクを入れる方が美味しいのがちょっと悔しいです^^;
ただ、その方が紅茶が熱いままなので良いのかもしれません^^